普通に働いていては大した収入が得られない今の世の中、収入を補うという観点からも、貯蓄だけでなく投資をすることが必要不可欠です。
投資については、以前から書いてきていますが、投資にはリスク分散という考え方があります。
まずは、基本から。
ある会社の株式に投資することを考えます。
会社が株式を買ってもらい、お金を集めます。株式というのは、会社へお金を貸すわけではなく、ある意味、会社にお金をあげることになります。その代わり、利益が出た時に配当をもらうという約束(権利)です。利益が出なければ配当はなし。投資したお金も戻ってきません。これが基本です。
他方で、「株式」というモノではないものは、モノではないにもかかわらず、売り買いすることも可能です。
そして、会社が利益を出して、配当をもらえるような株式については、買いたいという人がいます。そういう時に、もともと投資した金額より高い値段で売れたら、利益が出ます(売却益)。
現実には配当よりもこの株式自体を売却した時の売却益が投資の目的となっています。
1 商品リスクの分散
株式を購入しても、その会社がうまく行かず、利益が出ないとやがて倒産します。
そうすると株式は無価値になります。昔は株券という証書が発行されていましたから、「紙くず」になると言われました。
これが一つのリスクです。投資している会社がうまく行かない、極端な場合には倒産して株式が無価値になる。これを「商品リスク」と言います。
商品リスクを回避するためには、複数の商品(株式)を買うことです。
1つの会社がうまく行かなくても、他の会社がうまく行って利益が出たらいいという考え方です。広くいろいろな種類の株式を買うことでリスクの分散を図るというのがよいということになります。
でも、これは結構手間がかかります。なんとかならないか。
ということで考え出されたポピュラーな金融商品があります。「投資信託」です。投資をする人が色々調べて複数の会社に投資するのではなく、複数の(それも多数の)会社に「投資する人」がいてその人にお金を出すという仕組みiです。「投資をする人」を運用会社と言います。
簡単にリスクを分散しながら投資をするために、投資信託に投資をすることができるという仕組みが準備されているという訳です。
2 時期的リスク
投資信託を買ったのはいいけど、買った後に値下がりして損が出てしまったということは、投資である以上、仕方ありません。
ただ、これもリスクを最小限にする方法があります。
基本的には、1度に株式を購入すると、その後株価が下がって大きく損が出る可能性があります。そこで、少額で複数回に分けて投資することが勧められています。
複数回に分ける方法としては、定額で複数回(株式が安い時には多く買う)、同じ株式数を複数回買うなどが考えられますが、理論的に「定額で複数回」というのが効率がいいということになっています。これがドルコスト平均法というやり方です。
詳細な説明はネットで検索するなどすれば、いくらでも出ていますのでここでは書きませんが、結論として、「定額を複数回」と覚えておけばいいと思います。
積み立て投資が勧められているのは、こういう考え方があるからです。
(2)に続く