「アメリカ株」がいいと考える理由です。
1 アメリカの資本主義と日本の資本主義の違い
政治的な視点になりますが、アメリカは最も資本主義を強固に採用している国です。自由競争を促し、大きな企業が経営破綻することも想定の範囲内です。そういうことがあって初めて経済が発展していくという発想なのでしょう。
それに対し日本は資本主義を標榜してはいますが、アメリカほど自由競争をよしとしません。大企業が危なくなれば政府が表立って手を差し伸べることも珍しくなく、経済的な混乱をできる限り避けようとします。マスコミや国民も混乱を嫌います。
国家を運営するという観点からすると、どちらがいいという話ではないかもしれません。
ただ、この姿勢の違いにより、アメリカは痛みが伴っても経済が発展していき、株価も上がります。日本は現状維持の傾向が強く、経済が発展しません。
日本でお世話になっているので、日本株に投資したい気持ちはとても大きいのですが、発展性のない国の株式に投資することはできません。
2 統計的事実
統計的事実として、自由競争が徹底されていると資本主義の理論通りだんだん経済が発展していきます。アメリカの株価の統計を見ると世界恐慌の前から現在に至るまで概ね右肩上がりで上がっています。簡単に確認する方法としては、アメリカの優良企業にまんべんなく投資しているインデックスファンドの値動きを設定来(あるいは10年、20年)等で確認してみると明らかです。
日本では、株価は本当にランダムに動いています。ですから日本の投資信託の値動きもこれからどうなるかわかりません(原因は、おそらく政治姿勢の違いではないかと思いますが)。
このことは日本ではあまり言及されません。政治的な視点から考えてみれば当たり前のことです。日本にとっては都合が悪い事実ですから。
でも、外国人の経済ジャーナリストや学者は指摘しています。
3 注意すべきこと
株式投資(含む投資信託)は株価の下落リスクがあります。それに加えて、アメリカ株を買うとなると、為替リスクを伴います。
例えば、為替市場が円高になると日本円に換算した株価は下がります。そういう時期にアメリカで株価が下がっていると、株安と円高の二重の要因が円換算した株価に影響を与えますので、大きく株価は下がります。もちろん逆もあって、株高で円安の時には大きな利益が出ます。
この点については、どう考えたらいいでしょうか。
まず、株式の取引をする際に考えるべきは、利益が出たり損をしたりするのはその株式を売った時に初めて確定するということです。株式を持っているだけでは評価額は上下しても、その都度利益が出たり損をしたりするわけではありません。
投資について(2)で書いた分散投資(1000万円を500万円投資、500万円を貯蓄)していた場合、資金が必要になったとしても自分の持っている株式の評価額が低い時期は、貯蓄を取り崩すことでしのぎ、上がった時に売ればいいのです。
長期に下がっていった場合はあきらめるしかありません。そこは腹を括らないと投資はできません。しかし、上に述べたように、アメリカの経済運営に対する姿勢や統計的事実を考えてみれば、長期に下がり続けることはそれほど可能性は高くないのではないでしょうが(ここは、私たちそれぞれの判断です。)。