スタイルのある生活~早期退職50代男子ハタさんの試行錯誤~

公務員を退職するに至る経緯からその後の生活まで

私の理想とする「おひとりさま」生活 ~人生の林住期を過ごす。~

最近「おひとりさま」という言葉をよく聞きます。

女性のおひとりさま旅行、老後のおひとりさま生活、おひとりさま宿泊・・・。ニュアンスとして、従来の「一人は寂しい」という価値観の対極のスタンスとして、「おひとりさま」をポジティブに捉えようとするものが多いように思います。

 

私自身、離婚した後、子どもたちは一応独立して、世間的に見れば「おひとりさま」です。

 

退職した直後から1年ほどは、「生活にどの程度お金がかかるのか」を一つのテーマとして、お金の動きをモニターしていました。

お金の使い方の方針としては、基本的には必要なお金に絞って使うということにしました。他方で、ひたすら最小限に切り詰めるのではなく、そのままの生活を続けても、決して無理なく人生を楽しめる程度のお金は使うということにもしました。

具体的には、規則正しい生活をして自炊をする。趣味や娯楽は、読書を中心に静かな生活をする。テニスを週に数回やる。街歩きをしながら、時々、都区内の美術館、博物館、歴史資料館などに足を運ぶ。また、数カ月に1度程度、1~2泊の一人旅行に行く。そういう生活をしてみました。

 

こういう生活をしたら、結果的に、活動をするのは人が少なく、コストもかからない平日が多くなったため、旅行は一人旅。街歩きも、その際のたまの外食も一人でした。つまり、知人と関わるのはテニスの時だけで、その他は「おひとりさま」感満載の生活をしていたということです。

 

 

もともと一人で活動すること自体は好きでしたが、この経験を通じて、更におひとりさまの面白さを再認識しました。

 

私が一番いいと思うのは、自分と対話ができること。

一人の時間が嫌いという人は、「さびしい。」、「人の目が気になる。」と言います。でも、私自身は、人と対話をする代わりに自分と対話しているから、さびしさを感じる時も、人の目を気にする暇もない。むしろ、「気を遣う」という、人と一緒の時のデメリットを一切感じなくて済みます。

なかなか「自分との対話」をしにくければ、本を持っていればいい。本を読めば、精神活動が活性化されますから、自然と頭の中で自分との対話が始まる。食事の時は、本を読むわけにはいかないけれど、メニューを見て色々想像したり、提供された食べ物について考えたり感じたりしていると、有意義な時間が過ぎていきます。

 

もちろん、本も読めないなど落ち着けない場所もあります。「あっ。失敗した。」と思うこともある(最近の喫茶店、カフェはそういう傾向が強まっていると感じます。)。

でも、そういうことを含めて、楽しめるメンタリティがあれば、「おひとりさま」は絶対に楽しいと思う。

 

角度を変えて言うと、自分の持つ感性や知識、経験などを踏まえて、自分で自分を楽しませることができるならば、おひとりさま時間は無限に楽しい。

「絶対にダメだろうな。おひとりさまを楽しめないだろうな。」と思うのは、人に楽しませてもらうことを当たり前だと考えている人。長年組織の中で生活して、人にお膳立てしてもらうことが常態化していると、そういうメンタリティに陥りやすいんじゃないかなって感じます。また、ゲームや人との競争など枠の中での勝ち負けに至上の価値を置く人もなかなか楽しめない。人との比較でしか物事を見られない人もそうかもしれない。

こういう人たちは、人の評価や勝ち負けなど自分以外のものが価値の基準になっているから、純粋に自分の精神的な深みに降りていくことに面白みを感じないのではないかと推測しています。

もちろん、人と交流することが好きで一人で過ごすことを単純に好まない人もおられるので、そういう人を否定するつもりは一切ありません。念のため。

 

小学校から始まって(あるいはもっと前から)、職場を退職するまで、多くの時間を人と関わりながら過ごして来ました。「おひとりさま」の時間を過ごそうにも忙しすぎて、そんなことできなかったというのが正直な感想です。

多くの人と関った経験自体は貴重なもので、それがあるからこそ今の「おひとりさま時間」を有意義に過ごせているとも言えます。

でも、人との関りはとても大切なものですが、一人で考えを深めることもそれと同じくらい大切なのではないかと感じます。

 

このブログで何度か書きましたが、50代から60代くらいは林住期です。俗世から少し離れて自分と向き合うことは、自分の人生を深みのあるものとするだけでなく、次の70代以降の遊行期に向けての準備になるのではないか、そう思いつつ、今の生活を楽しんでいます。

 

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