スタイルのある生活~早期退職50代男子ハタさんの試行錯誤~

公務員を退職するに至る経緯からその後の生活まで

怒りの感情に支配されない幸せな人生を生きる。 ~戦争、いじめ、ネット社会の誹謗中傷について~

今の世の中には「怒り」が渦巻いています。

怒りの感情は、人を苦しめます。「怒っている時に気分のいい人などいない」とわかっていても、人は怒ります。怒って、恨んで、妬んで、自分自身を苦しめます。

 

人は「仕返し」をすれば、いい気分になれると信じていますが、仕返しをしてもいい気分にはなりません。「私は、こういう仕返しをしてやった。」と人に自慢してみて、褒められることもない。

社会的に尊敬はされないし、自分自身でも自分を誇ることができなくなる。さらに、仕返しをされた人は自分を憎むようになる。

「ざまあみろ」と思えるからいい気分だという人がいるかもしれませんが、仕返しをされた人は、さらにどんな仕返しをしてくるかわかりませんから、心は休まりません。

 

こんな風に怒りは自分自身を苦しめます.。

でも、自分が苦しんでいることに気づかない人が多い。

なぜなら、人に対して、社会に対して、国に対して怒るとき、人は自分が「正しい」と思っているから。正しいから怒って、何が悪いんだ?と考えています。自分の怒りは正義なのだと思い続けています。

でも、怒りは、自分を傷つけ続けます。怒りに支配されることは、大きなストレスなのに、怒りの感情を手放そうとしない。更に、怒ろうとする。

 

 

今の世の中、怒っている人の方が偉かったり、正義であると考えている節がある。怒っていない人は、無理解な人間であったり、正義のわからない人間だと思われている。

 

少し考えればわかることですが、こういう感情が戦争を引き起こし、いじめを蔓延させ、また、人を傷つけるようなネット社会を増長させたりしています。

みんな、自分は「正しい」、「正義だ」と考えて怒っています。

冷静に見てみると、戦争をする人、いじめる人、ハラスメントをする人、ネットで誹謗中傷をする人の多くは、自分が正しいと考えているように思われます。直接その人の話を聞いてみて実感することもあります。

hatasan2.net

 

でも、私は「こんな世の中、居心地悪くないか?」と常々考えています。個人が「正しいこと」を実現しようと怒って、憤って、恨んでも、世の中は良くならない。

 

 

怒らなくても正しいことは実現できます。

人や社会や国のどんなところに問題があるのかを、冷静に理解して、どうしたら問題が解決できるのかを考えることです。

怒っていても問題は解決しません。

 

 

ただ、「怒ること」を完全に否定している訳ではありません。

人間には感情がありますから、怒る瞬間があるのは当然です。

ただ、いつまでも怒っていてはいけないと思います。継続して怒りの感情に支配されてしまうと、人を殺したり、いじめたり、感情的に批判をして人を傷つけたりすることになります。例を挙げるまでもないでしょう。

 

怒りの感情は、自分が向き合っている事の問題点に気づく契機になります。

人に傷つけられたと思った時、社会が間違えていると怒りを覚えた時、国に文句を言いたくなった時、どうしたら問題が解決できるのかを冷静に考えることが大切だと思います。

「そんなことでは、問題は解決しない」と怒って言う人もいます。でも、冷静に考えず、怒りに身をゆだねている方が、間違いなく問題を大きくします。

だから、怒りの感情を抱いていることに気づいた時には、まずは感情に任せて怒ることをやめて、どうしたらいいかを考えることだと思います。

 

怒りの感情は、そんなに簡単に止められないと言う人もいます。

でも、多くの人は止めようとしていないだけです。止めようとしたら、意外と怒りの感情が暴走することを止めることはできます。

 

学問的に言うと、社会のあり様を「間違っているのではないか」と認識して、それを冷静に理解し、解決策を考えるという作業を「批判的検証」と言います。現実、現在の制度をそのまま「良し」と鵜呑みにするのではなく、何か間違っているのではないかと批判的に見ることが出発点です。

怒りは、「何か間違っているのではないか」と気づく契機になる感情です。

そういう怒りの感情を契機に、物事を批判的に検証することが大切です。決して、怒りに任せて行動してはいけない。

 

 

自分自身、無自覚に人を傷つける人や無理解な社会に対して、相当怒っていたことがあります。

プライベートでは子どもを授かり、職場では多忙を極めていました。完全に自分のキャパシティーをオーバーしていました。「なぜ自分がこんなに苦労しなければならないのか?」と常に考えていました。子育てをしたこともない年長の上司の無理解に接して、「なぜあの人は、わからないのか?」と怒り続けていました。

現代の日本社会では、こういう環境に置かれている人は、多いのではないでしょうか。

こういう感情を抱き続けた結果、私は、うつ病になりました。

 

今ならわかります。

国も悪いかもしれない、社会も問題が満載かもしれない。人も自分を理解してくれない。でも、それは、程度の差こそあれ、当たり前のことなのだと理解できます。

そういうことは前提として理解して、次に、やるべきことは、自分が怒りの感情に苦しめられていることに気づき、それを解決するにはどうしたらいいのかに焦点を当てて考えることです。いつまでも怒っているのではなく、批判的に現状を分析し、解決策を検討する。

そうすれば、自分の置かれた環境に問題があっても、その環境を是正することや、是正することが叶わなくてもその環境から離れるなどの対策を取ることができます。

過去の自分は、それができなくて大きな回り道をしました。

 

これからは、怒らず(怒りの感情を感じても、それを客観的に見て)、淡々と、気持ちのいい人生を送るよう努力したいと考えています。