一昨年(令和4年)に公務員生活を終わりにしました。辞めるまでの経緯や退職後に就職するまでのことなどを、このブログで書いてきました。退職して良かったと思うことはたくさんあります。
その一つが、生活がすごく刺激的になったことです。新たな職場に就職をしてから、大体2カ月程度ですが、はっきりとそう感じます。
現在の仕事の内容は、教育関係で子どもと直接接する仕事です。
給料は安いです(笑)。その割には大変です。ストレスも結構あります。
ネットの記事などで言う、「早期退職した人の末路」みたいな感じかもしれません(笑)。
他方で、人生の後半戦で、新たな体験をすることのメリットを強く感じています。
これまで全く経験のないような業界の仕事なので、本当に新たな気づきの連続です。いろいろなことができるようになっていくことの楽しみも感じます。
さらに、前職の経験が生きる場面が、間接的であるにしても、多くあります。
シニア世代ですから、これから現在の新たな組織で出世したり、もっと責任ある立場に就くことはないと思います。でも、責任ある立場の人が苦労している時に、サポートすることにもやりがいを感じます。
「転職をする時には、同じ業界でないと経験を活かせない」と多くの人が言いますが、うそだと思います。
例えば、子どもとコミュニケーションを取ろうとする時、大人は自分の知っていることや考えを伝えようと一生懸命になりますが、大人の言うことが子どもに伝わるとは限りません。むしろ、伝わる事の方が少ない。
ほんの2カ月ほどですが、子どもと関わってみて大切だと思うのは、「必要のないことは言わない」、「言うべきことは最小限の範囲で言う」ということでした。それを何回かやっていると、こちらの話を聞いてくれるようになってきます。
このノウハウは、クレーム対応と同じです。前職で数限りなくやってきたクレーム対応では、「言うべきことは言うけれど、必要のないことは言わない」ということでした。
さらに、この経験を通じて、このノウハウは、クレーマーとか子どもとかに限った話ではなく、どんな人との人間関係でも基本となることだと気づきました。
ほんの一例ですが、他にも、新たな発見をしたり、感動したり、感心したり、びっくりしたりすることがたくさんあります。
考えてみれば、社会的には年金の財源不足などから、長く働くことが奨励され、そのために同じ職場で働けるように定年延長などの政策が勧められています。
でも、同じ職場で働いていたら、こういう新たな刺激を受けることはなかったと思います。しかも、定年延長がされると給料が下がってモチベーションが下がります。仕事から受ける刺激はどんどん無くなるでしょう。
人によっては(多くの人は)、刺激を避けるようにさえ、なっていきます。そういう人を前の職場でたくさん見てきました。
精神科医の和田秀樹先生も著書「80歳の壁」で、長く幸せに生きていくためのポイントとして「興味あることへの我慢をやめる」ということが重要だと書かれています。
現在の職業や生活に興味を失っているのであれば、どんどん新たなことに挑戦するのがいいのではないかと、強く感じています。
相応の準備は必要ですが、転職や退職も「新たなことへの挑戦」の一つだと思います。
確かに、私の現在の生活は、悪い面ばかりを見たら「退職した人の末路」のような状況なのかもしれません。
それでも、繰り返しになりますが、相応の準備をした上で、新たなことに挑戦して自分自身をアップデートしながら、良い面を見ていくメンタリティを鍛えて行けば、絶対に幸せな人生になる。
今、そんな気がしています。