年末が近づいてきて、年賀状を書く季節になってきました。今年は、年賀状じまいというのが話題になっています。でも、私には関係ありません。なぜなら、もう30年近く年賀状は出していないからです。
昔は「ミニマリスト」という言葉もありませんでしたが、30年前くらいから自分の周りの物を減らしたいと痛切に思うようになりました。精神的な病気になり、結構長い時間休職せざるを得なくなり、その時に「やらなければならないことが山ほどあり、物が山積みになっていて、つらいなあ」としみじみ思ったことが最初のような気がします。
茶道や禅の考え方などに触れる機会があり、さまざまなことに執着する生活に疑問を感じるようにもなっていました。
こういうミニマリズム的に年賀状じまいをした私としては、ちょっと今年の年賀状じまいのやり方には疑問を感じます。
ネットで検索してみると、年賀状をやめるにあたって、今年の年賀状に記載することの注意点がヒットします。そうか、年賀状じまいというのは、最後の年賀状のことなんだと初めて理解しました。
概ね以下のようなことを書いて今年の年賀状を出すことを推奨しています。
1 年賀状じまいの理由
2 全員に出している旨や今後の付き合いは変わらないこと
3 いつから辞めるか
4 SNSやメールなどの連絡先
年賀状をやめるのにも、ものすごい手間をかけるんだなあと感心してしまいます。
反面、私としては、感心はしますが、自分には絶対できないとも思ってしまいます。
年賀状をやめる理由は「もう必要ないから」に決まってるし、「付き合い」を続けたくない人には何て書くんだろうと思うし、いつからやめるかって、それは「今でしょ!」。
SNSの連絡先を記載することに至っては、年賀状だけの付き合いで済んでいたものが、簡単に連絡が来るようになり、今後手間が増えるのではないかと心配にさえなります。
だから、私は、基本的には何も言わずいきなりやめてしまえばいいのではないかと思うのです。
30年前ですら、自分が付き合っていきたいと思う人はみな理解してくれました。
「君子の交わりは淡きこと水のごとし。小人の交わりは甘きことれいのごとし」という故事成語があります。
「小人物との交わりは甘酒のように甘ったるしくべとべとしている」というのです。言い得て妙だと思います。だから、そういう交わりは早期に断捨離した方がいい。
過剰な情や利害得失から距離をおいた「君子の関係」を大切にしていけばいいのではないかと思います。