公務員や会社員の人が、退職しようとするときに二の足を踏む大きな理由の一つに「再就職できるのか?」という不安があります。
私も、30代後半くらいからずっと転職しようか・・と考えていました。どんどん職場がギスギスした雰囲気になっていく中、長期間にわたって組織に留まることは難しいと感じていたからです。
だから、「どうやったら退職後に仕事を見つけられるのか。」について調べていました。でも、いくら本を読んだり、ネットで調べたり、メディアの番組を見たり、人の話を聞いたりしても、よくわからない。ただ「なんか難しそう。」という雰囲気だけは伝わってきました。
1 様々な媒体で言われていること
様々な人が様々な媒体で、「現在の職場がどんなに嫌でもその職場に留まる方がいい。」と言っています。理由は、転職したら必ず給料などの条件が圧倒的に悪くなるから。
また、仮に現職を辞めて転職するならば、「自分のキャリアの棚卸」をして、自分の強みを認識した上で活動するべきだということも多く言われています。論調としては「そんな基礎的なこともしないで転職活動をしたって成功するわけがない。」という感じです。
私は、おびただしい数のこういう記事をネットなどで見るにつけ、とても残念な気持ちになります。
こういう記事を書いている人たちは、実際に就職活動をした人ではありません。大企業の人事関係の人だったり、ファイナンシャルプランナーとか、申し訳ないけれど転職を他人事として見ていられる人です。
こういう記事に書かれていることは一定の事実は含んでいるものの、アドバイスにはなり得ません。
2 労働市場の本当の問題点
自分自身が退職後にハローワークに通い求職活動をしてみてわかったことがあります。
確かに、転職市場は厳しい。特に40代以上の人にとっては「転職=給料が下がる」です。給料が下がるだけでなく、非正規、パートの仕事しかないと言っていい。そのくらい厳しい状況です。
ただ、逆に言えば非正規でよければ求人はあります。なぜなら、世の中人手不足だから当然です。
でも、問題はここからです。ハローワークに出ている求人に応募しても基本的には採用されることはありません。私自身、20社以上に履歴書を送ってみましたが、結果はすべて不採用でした。面接に進んだところも全くありませんでした。
(厳密に言えば、最後に採用してくれたところはありましたが、それ以外はすべて履歴書のみで不採用でした。)
履歴書を出すにあたっては、自分のキャリアの棚卸をして記載し、提出前にハローワークの関連機関(東京しごとセンター)でチェックしてもらいました。それでも面接にすら進めないわけです。これがなぜなのかは、以前に私の推論を書きました。
つまり、採用されないのは求職者の方の問題ではないということです。いくら棚卸をして丁寧に応募をしても面接もしてもらえない。人手不足?ほんとに?という状況なのです。
3 心に留めておくべきこと
この状況は、どのネット記事もメディアの番組も決して言いません。
だから、知らないで就職活動をすると、不必要に多くの不採用通知を受け取ることになる。そして、普通の人は、自分の努力が足りないと思ってしまう。
これから転職を考えている人が、こういう現状を前提にクールに就職活動ができるように切に願うとともに、退職後3年経って、そういうノウハウを少しでも広める活動ができないか模索中です。
(過去にかなり詳しく、自分の求職活動について書いています。)