・子育て世代のサポート
・国民へのきめ細やかなサービスの提供
等々の重要性、必要性が声高に叫ばれるようになっていました。公務員を辞めようと思っていた頃のことです。
理念そのものは正しい。でも、実際にそれを実現するために、組織内では課題は現場に丸投げされ、さらに現場では一部の人、誠実な人に仕事や負担が集中していました。「こんな組織にいつまで付き合えばいいのか?」、「定年まで働き続けるのは、とても無理。」、そう感じていました。
だから、「このままでは体を壊してしまう。」そう思ったタイミングで退職しました。
その決断は、今振り返ってみても、正しかったと思います。後悔は微塵もありません。
それから3年、退職当時わからなかったことも多くわかるようになりました。
退職直後に気にしていたのは、お金の問題が大きかった。他方で、退職後どういう人生を歩むかということに関しては、精神的に仕事から解放されるだけで結構満足してしまい、そんなに深く考えていなかった。
でも、最近では、「自分の人生、どうなればいいのか?」と考えるようになりました。私は現在61歳。男性の健康寿命と言われている72歳までにはあと11年。そこまでに何をしたいか、ということです。
そう、11年しかありません。
一般的には、退職するとその後の人生は「余生」というイメージかもしれません。でも、私は、残りの人生、そんな生活を送るのはもったいないと考えています。
ただ、周囲を見回してみると、仕事から身を引いて、自分の人生について積極的に考えている人というのはあまり見当たりません。多くは「リタイアした人」として静かな生活をしているようです
でも、考えてみれば、そうじゃない人も少なからずいるはずです。ただ出会えていないだけ。そういう人たちは、きっと、孤独に自分の人生を見つめている。
なぜそう思うかと言うと、今の日本社会、会社や役所という組織を離れてしまうと、そういう人と出会う機会が限りなく少なくなってしまうから。
私も、この3年間、孤独に「これからの人生をどうするか?」と考えてきました。
退職後3年が経過し、今年の3月再び仕事を辞めました。
現在は、自分が「積極的な人生の後半戦を過ごす」モデルとなったり、そういうことを話す場を提供したり、・・・とか役に立つことができないか考察中です。
そんなに簡単なことではないかもしれないけれど、自分の人生が終わる時、ささやかでも達成感が得られたらいいなと思っています。