スタイルのある生活~早期退職50代男子ハタさんの試行錯誤~

公務員を退職するに至る経緯からその後の生活まで

ひっ迫を繰り返す医療現場は日本社会の縮図だと思う。

数日前に、救急隊員が居眠りをして救急車が事故というニュースがありました。17時間連続勤務だそうです。

 

コロナ確認から3年、何度もコロナの流行があり、その度に医療現場のひっ迫、保健所が回らないなどと言われますが、改善されない。救急車の事故も、その延長上にあります。

エッセンシャルワークと言われる病院などで、こういう状況です。それ以外の組織でも、特に問題として表面化しないだけで、仕事が普通に回らないのは同様だと思われます。

 

日本の組織のダメな点ですね。

何度経験しても学ばない。遡れば、太平洋戦争の頃から全然変わってないのではないでしょうか?

 

私のいた組織(国の組織です)もそうでした。

何度も同じ間違いを犯している。ほんの一例ですが、システムの導入に失敗したのは1度や2度ではないけれど、失敗したという認識すらしない。

ただ、なぜそうなるのかもわからなくはない。だから、感情的に糾弾するつもりはないのですが、でもそうは言っても、このままでいい訳がない。

 

 

現在の日本の組織について、一つ共通して言えることがあるのではないかと思います。

働いている人と、働いていない人がいる。

 

働いている人というのは、普通に働けている人。例えば、会社員なら普通に就職して健康で独身とか。要するに普通に働ける人です。

他方で、働いていない人は、

1 健康を害しているとか、子育て中とか配慮を要する人

2 組織を運営している人

この2種類だと思います。

 

1については、これまで何度となく記事に書いたりもしてきました(理念には反対ではないが、一部に仕事が集中している)が、今回は、2の組織を運営している人について、考えてみたいと思います。

 

 

通常、いわゆる幹部職員より上の人が、組織を運営する人という理解でよいでしょう。もちろん現場の職員も組織運営の一翼は担っていますが、組織運営が主たる仕事になっている人と言うと幹部職員です。

 

そういう人たちが、今の世の中、ルーティンをこなすことしかしていません。

毎年やらなければならないこと(人事とか)、突発的に起こったことの対応(報道対応とか)も重要な仕事ではあると思います。しかも、それだけで相当忙しいことも理解できます。でも、そういう幹部職員のルーティンだけやっていればいいのか?

 

期限は特に明確にはないけれど、長期的に見て重要なことで検討し実行しなければならないことに着手する必要はないでしょうか。

 

病院、保健所、消防署は、スタッフが足りない。コロナで大変になったり落ち着いたりを繰り返すことも、当初は、仕方のないことかもしれません。ただ、3年以上経った今でも同じ状況を放置しているのは、「誰」なのか。

 

犯人捜しは嫌いですが、責任の所在が全く明らかにならないのはおかしい。

私がいた職場でも、3カ月基幹システムが止まったことがありましたが、誰も責任を取りませんでした。

 

急がないけれど重要な問題については、責任を追及されないから、組織的な課題を考える人がいない状況になっています。

いろいろな組織で、たまりにたまった歪みが明らかになっているのに、見て見ぬふりが常態となっています。

組織のトップとかそれを支える立場の人、つまり次にトップになるような人は、かなり高い給料をもらっています。でも、それに目を向けることがない。

 

組織のガバナンスがどうとか、情報セキュリティがどうとか、かっこいい名前のついたものだけが仕事ではないと思います。

本当に、この組織(社会、国)をどうしなければならないかを考える必要があります。

 

 

自分自身、仕事をしていた時は、「こうしたい」という案を作って、上司や会議などに諮るようにしていました。

でも、退職する直前には、「そんなこと考えなくてもいい」と言われ、現場の状況を明らかにしたり、提案をしたりということをすると煙たがられるようになっていました。そんなことはやらなくてもいいと言われ、その代わりに、多くのブルシットジョブ(くそどうでもいい仕事)が課されました。

コロナの報告、働き方改革が順調にいっているかどうかの報告、仕事を間違わないために何をしたかの報告・・・・枚挙にいとまのない、どうでもいい仕事をしていました。

 

 

医療現場でも。コロナに関して異常に詳細な報告が強いられていたことは記憶に新しいところです。本来的な診療業務に支障を来すほどに仕事を増やしていたわけです。

 

本当に診療がうまく回るようにするためにはどうあるべきか、どうすればよくなるかという本当に大切なことは、誰か考えているのでしょうか?強く疑問に思います。

もちろん、病院の幹部だけが考えるべきだという簡単な話ではないと思います。現場も考えなければならないでしょうし、組織としてそういうチームを作るなど具体的な方策も必要でしょう。

でも、中心になるのは幹部以上の人たちであることは間違いないと思います。

 

 

このあたりで、病院が疲弊しないように考えて実行するのは誰なのか、保健所や消防署の体制を検討するのは誰なのか、裏返して言うとうまく行かない時に責任を取るのは誰なのか、一度正面から考えてみた方がいいと思うのです。幹部以上の人たちに、きちんと働いてもらうことが大切だと思います。