人生の岐路というのは、どんな人にもあります。
ただ、その時、現状維持を選ぶのか、変化を許容するのか、それは人それぞれ、またその時々だと思います。
でも、人生のおいて「常に現状維持が正解」ということはないと思います。
人間は誰しも、大きな変化を経験します。
でも、成人した後は次第に、できる限り変化をしないことを望むようになっていきます。仮に、変化する必要があっても、変化を嫌い、変化する必要性を否定して、なんとか現状を維持することに執着するようになる。
もちろん、いたずらに変化してばかりいては、負荷が半端ないことになって疲れ切ってしまいますから、ケースバイケースなのですが、変化を求められる環境に置かれても、変化しないことに固執するようなってしまうとそれは問題です。
その方が、どれほどのリスクとなるのかは、現在の日本社会を見れば一目瞭然です。
じり貧で、世界から置いて行かれても、なお現状にしがみついている。既得権を抱え込み、新たな人材を登用したり、これまでにないやり方を導入することに、とにかく抵抗し続けている。
マイナンバーの導入は、おそらく時代の流れとしてやらなければならないことだと思います。そして、導入の仕方には反省すべき点があるのでしょう。でも、100%うまくいかないからと言って、「マイナンバーなんて要らない」というのは極論だと思います。それでも多くの人が、現状の紙の保険証がいいとか言っている。
現状を変えたくない人は、何とかして変化から逃げようとします。
中高年になると、会社などの組織の中で安定し、家庭でも若い時ほどの大きな変化がなくなってくる。そうすると、変化をすることを嫌うようになる。怖いから。
年齢が上がれば上がるほど、変化が怖くなります。
組織の中で「お荷物」となっても、変化することは怖いし、変化する過渡期は大変だし、とにかくやりたくない。そういう人をたくさん見てきました。
1年前、「退職しよう」と思い立って、それを実行することは、正直、不安で恐ろしかった。生活を維持していけるか、お金は大丈夫か、張り合いのない人生になるのではないか、肩書がなくなるとどうなるのか・・・様々なことが心配でした。
でも、変化は思ったとおり大変でしたが、生活トータルで見たら格段に楽になったし、人生を楽しめるようになったと思います。動いてみないとわからないこともたくさんありました。
例えば、
・仕事が無くなると自堕落になってしまうのではないかと心配しましたが、早寝早起きをして健康診断を受けて体調もベストな状態を保てるようになった。
・お金は大丈夫か心配でしたが、収入と支出を可視化して管理するようになって、不安がないことがわかった。
・仕事がないと外出しなくてもいいのですが、趣味や過去の友人関係など人間関係が広がった。
・家族と余裕を持って関わることができるようになった。
・自分の人生をどうしたいのかを、正面から考えるようになり、実際に動いて試行錯誤ができるようになった。
等、いくらでもあります。
今の日本社会は一億総活躍の名目の下で、定年が延長され、再雇用が義務化されました。その流れに乗って、年金不安から何とか会社や組織にぶら下がろうとする人が増えています。モチベーションの低い「働かないおじさん」です。
そういう人を身近に見て、自分はそうはなりたくないと思いました。
でも、私が組織にぶら下がらないでやったことは、起業してビジネスを成功させるような起死回生の手段を実行した訳ではありません。また、多額の相続財産が転がり込んでくるとか偶然の幸運に恵まれた訳でもありません。誰でもできる方法で、退職後の生活を再建してみました。
日本社会の問題は根深いと思います。それでも「退職」という変化を受け入れました。
その後、試行錯誤を繰り返すことで、この社会で何とかやっていけるのではないかと思うようになりました。
退職して1年経過した今、そう考えています。これからも変化を受け入れチャレンジして行きたいと思います。