ある程度の期間勤めていた職場を退職し、第2の人生を送ろうと考えた時、まずやらなくてはならないことは、第2の人生のビジョンを描くことです。少し具体的に言えば、何をやりたくて、何をやりたくないかを明らかにするということだと思います。
ビジョンがあるからこそ、退職後、どういう生活を送るのか、どういう仕事をするのか等の具体的な動きに繋がってくるのだと思います。
何度も言ってきましたが、これが無いと、漫然と前職の頃と同様のことをしてしまい、「転職をしたのはいいけれど前職と同様の職場で幻滅した。」ということになりかねないと思います。
当然のことながら、自分自身が置かれた環境によって、ビジョンは更新していくことが必要です。
私は、在職中は忙しすぎたので、実際これからの人生をどうするかというビジョンを真剣に考えたのは、退職後でした。
どんなことを考えたかというと、まずは、やりたいこととやりたくないことを考えました。
1(1) やりたいこと
・これまでできなかった趣味を深める。
テニスをうまくなる。
アート、歴史などを学ぶ。
1人旅に行く。
・余裕のある生活をする。
規則正しい生活をする。運動、ダイエットなど体を整える。
健康診断など自分の身体をモニターする。
・シンプルな生活をする。
家の中を整理して、ミニマムな生活をする。
持ち物や家具、生活用具を厳選して、よいスタイルを意識した生活をする。
自分自身の考え方を見直し、幸福な人生を送るような人の考え方に寄せる。
・本を読んだり、テレビ、ネットなどに触れて、幅広く見識を深める。
・居心地のいい人間関係を、自然に広げる。
・なんでもいいので、新たなチャレンジをする。
(2) やりたくないこと
・仕事が人生の大部分を占めるような生活をすること
・通勤など無意味な時間を使うこと
・ものを増やすこと
・不必要に働くこと
・嫌な人と付き合うこと
・健康を壊すような生活
こんな感じで考えてみると、自分の送りたいライフスタイルが見えてきます。
私の場合、結論的には、
仕事は最低限にして、趣味、心を許せる人との交流のための時間を確保し、仕事や物に振り回されない落ち着いたシンプルな生活をしたい。そういう生活をしながら、これからの人生では仕事とは違うことにチャレンジをしていきたい。
ということになりました。
こういうイメージを作ったので、その帰結として、仕事に関しては週に3~4日の勤務までという条件は、誰が何と言おうと絶対に妥協しようとは思いません(実は、男性にとってはフルタイム以外の働き方はハードルが高いのですが・・(*))。
他方で、生活水準としては、これまでどおりでなければならないとは全く思いません。シンプルな暮らしでコストのかからない生活を実践しています。そして、趣味を楽しめたり、楽しい人間関係を維持できれば十分なので、前職でもらっていた額の給料は必要ないということになります。
* 求人をかける企業などでは、男性はフルタイム、パートタイムは女性というイメージが強いのが現状です。
人生のイメージを固めることによる副次的な効果としては、周囲の雑音に惑わされなくなるということもあります。
別の機会にも書きましたが、仕事をしないと周囲からのプレッシャーを感じることが多々ありますが、多少ひるむことはあっても、最終的には自分で自分の現在の姿について納得することができるようになります。
そうして、人と違うことをしながら前に進んでいくことができるようになるのだと思います。
結局、自分の人生について考えることが、自分の納得する人生を送る礎となるのだと気づきました。もう職場や組織に合わせて、自分を殺して生きていくことはないと考えながら、現在も人生のビジョンをブラッシュアップしながら生活しています。