退職前には収入の一つの柱として、投資を組み込むことを考えるのがいいと思います。
これまで私の経験(30年ほど)で、前回書いた投資の方法による利益としては、年率5%ほどでした。大体15年で2倍になります。
現実には、働いている間は、少しずつ積み立てて行きますので、計算はややこしくなりますが。
退職した時点で収入が無くなれば、その時点での積み立ては無くなりますので、金額を固定して考えることができます。
仮に、退職金を2000万円もらったとして、これを全部投資したとすると、次年度にはその額は2100万円になります。2年後には2205万円、3年後には2315万円、4年後には243万円・・・10年後には3257万円になります。
10年後に増えた部分を取り崩したら、1257万円の利益ということになるので、1年あたり125万円。ここから税金を控除した後の金額が(ここではざっくり考えて)100万円ほどになります。
取り崩さずに、投資したままにできればもっと増えますし、年率が変わらなければ投資する期間が長くなればなるほど大きな利益を生むことになります。
年間100万円くらいの収入が見込めることになり、再就職を考えるとしてもそれほど給料が高いところでなくてもよいことになります。
このシミュレーションは退職してから投資をするという前提ですが、それまでにある程度の金額ができていれば、もっと楽になると思います。是非、計算してみてください。
退職前に切り詰めてがんばって1000万円を投資できたとすると、退職時点では3000万円(それまでに利益が出ていればその分も含めると3000万円以上)が原資になりますから、もっと大きな金額になります。
これが投資を強く勧める理由です。
投資に回せる金額が大きければ大きいほど、また、投資を始めるのが早ければ早いほど、リターンも大きくなります。そういう状況が出来上がれば、退職の決断もしやすいと思います。
私自身、退職する前は次に「仕事は見つかるのか?」ということばかりが気になって、大きな不安に押しつぶされそうでした。
でも、ここまでに書いてきたとおり、自分はシンプルな生活が好きだし、そういう視点で支出を削った生活を前提とすると、それほど多くの収入は必要ではないし、他方で、投資を継続してきているからその分の収入のほとんどがカバーできてしまっています。
結果的に、「押しつぶされるような不安感」を持つことなく、現在の生活を送れています。
退職後に仕事から得る収入額については、
・生活に必要な額から投資による利益を控除したくらいでいいと考えるのも一案ですし、
・生活費をミニマムにして、その額を賄えるくらいまで稼ぐ(投資したお金は切り崩さない)というのも一案(と言うか理想)です。
念のため申し添えますが、投資についてはリスクは投資をした人が負うことになります。これは当たり前のことです。
ただ、何となくリスクを恐れるのではなく、投資についてきちんと勉強し理解した上で、きちんと利益が出るところに投資することは、現在の日本では必須だと思います。上に書いたとおり、現在の日本では預金のリスクが顕在化してきています。