1 はじめに
いつもながら、経済素人の私が、難しい金融理論や経済の知識ではなく、学校で習ったり、ネットをちょっと検索したら出てくるような基本的な原理原則を前提に自分の頭で考えていきたいと思います。
メディアに登場する経済の専門家のように小難しい理屈を捏ねたり、細かい議論でけむに巻くようなことはしません。
2 日銀は何のためにあるのか?
一般に通貨量をコントロールすることで物価を制御することができると考えられています。通貨の量が増えると物価を上げる圧力がかかります。通貨の量が減ると逆に物価の下げ圧力がかかります。これが理論的な前提です。
そして、日本銀行(日銀)は何のためにあるのか?
日銀法2条には「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。」と書かれています。つまり、日銀は物価の安定のために通貨などの調整を行う機関なんです。ここが出発点。
日銀法で、なぜこんなことが定められているかというと、・・・。
通貨の発行を、日銀のような独立した銀行ではなく政府に任せるという国の仕組みも考えられます。だけど、これは歴史的に大失敗してきた。ワイマール時代のドイツ、ジンバブエ、古代ローマなどでは、政府が通貨を際限なく発行した結果コントロール不能なインフレ(ハイパーインフレ)になった。つまり、通貨の量が増えることで通貨の価値が低下して、物価が上がりすぎて制御不能になってしまった。
戦後の日本でもこれと同様のことが起こりました。だから、政府ではなく独立した国の銀行、すなわち日銀に通貨の量をコントロールさせる制度ができたということです。
3 日銀がやること
通貨の量を調整するために行うことが3つあります。高校生の頃、政治経済で習った気がするけど・・・。
(1)公開市場操作
市場に流通している国債を日銀が買い取ることで、国債を買った時の代金が市場に流れて、通貨の流通量が増えます。
(2)日銀当座預金の金利の調整
民間銀行は日銀に当座預金の口座を持っています。その金利を上げると民間銀行は日銀に預けているだけ(ノーリスク)で金利分を儲けることができるから、顧客に貸し付ける時には更に高い金利で貸すことになります。そうすると貸出量が減り、市場に出回る通貨の量も減ります。逆に金利が下がれば、通貨量は増えます。
(3)法定準備金の上げ下げ
民間銀行は日銀の定める法定準備金額を日銀に預けなくてはなりません。これを増やすと民間銀行の使えるお金が減り市場の通貨も減ります、逆に法定準備金額を減らせば市場の通貨が増えます。
最近は、(3)はあまり行われていないみたいです。
4 今、日銀がやろうとしていること
目を転じて、今の日本を見てみます。
物価が目に見えて上がっています。インフレが始まっています。体感的には2倍になった食料品も珍しくない状態です。じゃあ日銀はどうするべきか。答えは明らかです。金利を上げて通貨の流通量を減らすしかない。
物価高騰の昨今の情勢を見たら、日銀が金利を上げることの方が自然なんです。
前回の導入で紹介した記事について言えば、30年ぶりであろうが、住宅ローンの金利が上がろうが、日銀はむしろ自らの責任を果たそうとしているだけとも言える。
