沖縄に来ています。
前の職場の上司が「沖縄はとてもいいところなので、是非行ってみてください。」と話していて、それが頭に残っていました。
正直、私はこれまで沖縄が特に好きとか特別に興味がある訳ではありませんでした。随分前に家族旅行を検討したこともありましたが、東京からだと遠くて旅行代金が高いし、時間もかかる。台風が来たら帰ってこれなくなる・・・などで行くことはありませんでした。
ただ、今年3月で前職を退職して時間もできたので、7泊8日で沖縄本島内を回ってみました。衝撃的な経験でした。衝撃的なポイントは、
・海
サンゴ礁の海ってこんなにいいものだとは知りませんでした。マリンスポーツや海水浴もいいし、海岸でビールを飲んでぼんやりするのもいい。さらに山の上から海を見るのもよかった。今帰仁(なきじん)城跡から見た海は最高にきれいでした。
・民俗
芭蕉布、やちむん(焼き物)、琉球ガラス、沖縄地方独特な家にいろいろな食べ物
・歴史
琉球王国時代、明治~戦前、戦中戦後と興味は尽きません。いいことばかりではない、どちらかと言うと苦労の歴史です。悲惨なこともたくさんある。
自分のいるところが戦場になるという感覚は本土ではわからない。戦争の記憶や感覚が今でも色濃く残っている。
・米軍基地
時々、米軍の軍用車両に出会ったり、飛行機が飛んでいたりします。飛行機やヘリコプターの音は民間のものと違い、音がすごい。それだけでも基地を実感します。
とにかく初めてなので、広く回ってみましたが、とてもじゃないけど全部は見切れない。そのくらい見どころがありますね。来る前は、沖縄旅行と言えば、国際通りでショッピングやグルメ、海のきれいなエンタメ施設、あとは歴史的な場所としてひめゆりの塔という感じでした。
でも、実際に来てみると違いますね。深く考えさせられたり、感動することが本当に多い。一例ですが・・・。
糸満にある平和記念資料館を見た後は、あれほどきれいだと思っていた海が切なく見えて仕方ありませんでした。
これ以外にも各市町村に歴史資料館的なものがあります。そこには戦争を実感するような、でもメディアに取り上げられない資料が数多くあります。
また、浦添城、首里城は王国時代の遺構でもあるけれど、沖縄戦の激戦地。
浦添、首里、海軍壕公園、糸満の記念館と日本軍が撤退していったところをめぐると当時の人たちが見た景色をわずかながらでも想像することができます。
そんなことを考えながら那覇のホテルに帰る途上、映画館がありました。「沖縄まで来て映画もないだろう。」という感じですが、ふと思いついて「沖縄を題材にした『宝島』、見てみようかな。」と思いました。巷では否定的な評価の多い映画です。
でも、結論的に言えば、良かった。私的には、つい先日見た「国宝」よりもいいんじゃないかと思うくらいでした(「国宝」も最高に良かったです。)。
現代社会では、ちょっと政治的に重いテーマを扱っていたり、描写やセリフがわかりにくかったりするだけで、否定的な感想を持つ人が多いのかな・・。
宝島は政治的なテーマを扱っていても、正面から描こうとしていたのは、立場の違う人との間の信頼関係だと思います。アメリカ人、本土の日本人、複雑な事情のある親子・・・。多くの人に見てもらいたいなと思いました。