スタイルのある生活~早期退職シニア男子ハタさんの試行錯誤~

公務員を退職するに至る経緯からその後の生活まで

早期退職後2年、お金はどうしているか? ~「もう無理。」と退職してから現在まで~

 

2年半前に早期退職していろいろと試行錯誤をしてきました。

お金に関して言えば、退職するまでに準備をしてきたつもりでしたが、退職直後は「これからは定期的な収入は無いんだなあ。」と漠然とした、でも強い不安がありました。この不安は、ある程度生活が軌道に乗るまでは続きました。

それまでは、支出の見直しをして自分としての最低限の必要経費を割り出してみたり、貯蓄や投資の金額を整理して、それまでの貯えと退職金をどう使うかを考えたりしました。そうしながら、自分の金融資産がどの程度増減するのかをモニターしてみました。

そんなことをしてみて分かったことを書いてみます。

 

1 「もう無理」と思う人がお金について準備すべきこと

「もう無理」と思いながら仕事をしている人は多いと思います。私もそうでした。仕事を辞める前10年間くらいは、本当に「もう無理」と思いながら過ごしていました。我ながら、よく我慢したと思います。

だから、私としては、そういう人は仕事を辞めたらいいと思っています。

 

でも、条件があります。

仕事を辞めるには、できる限り(体調を崩してしまったり、すぐにでもそうなりそうという緊急事態を除いて)、「やるべき準備をしてから。」・・ということです。

hatasan2.net

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やるべき準備の一つとして「お金の準備」があります。

ネットやメディアでは、様々な言説があって、仕事を辞める時に一体どれほどのお金があればいいのか、さっぱりわかりません。「退職した人の末路」などという多くの預貯金がありながら結局破産したとかいう脅かすようなものもあるし、「貯金0でも辞められる」というような異常に楽観的なものまであります。

私自身の退職前、調べても調べてもイメージが全然作れなかったことが思い出されます。

 

2 退職後のお金の考え方

退職後のお金についての考え方を整理してみます。ネットやメディアで言われている考え方は、大体、以下のようなものだと考えられます。

(1) 退職後に再就職して働きながら暮らすという考え方

「貯金0でも大丈夫」と言っている人の考え方です。貯えが無くても、「健康で働く」ということを想定しています。ある程度の年齢になってから退職すると稼げる金額は多くはないので、そういう場合は支出を超ミニマルにするイメージです。

例えば、健康で月々15万円くらい稼いで、その範囲で生活していく。こういう方々は「月々●万円で暮らす・・・」という書籍を出していたりします。

 

私は、個人的にはこういう考え方は嫌いではありません。

とにかく働けるだけ働いて小さくコンパクトに生きていく。印象としては「お金が無くても、たくましく生きていく」というイメージで、人生の後半戦を生きていくにあたっては、強みとなるメンタリティであることは間違いないと思います。

ただ、当然のことながら、デメリットもあります。シンプルに、健康を害したら終わりです。これは大きなリスクです。また、「もう無理」と今思っている人からすると、辞めてからもすぐに働くことを強要される生き方でもあります。

 

(2) 預貯金を取り崩しながら生活するという考え方

記憶に新しいのは財務省の出した「年金だけでは老後2000万円が不足する。」ということを根拠にした「2000万円が必要」という考え方です。ネットやメディアでは多様な金額が出ていて「預貯金8000万円で大丈夫と思って退職した人の末路」とかいう記事すらあって、結局、本当はいくら必要なのか、全然わかりません。

こういう考え方の前提は「仕事を辞めてからは働くことなく、貯金を取り崩して生きていく」ことです。取り崩すことを前提とするから「預貯金は多ければ多いほどいい。」という結論に帰着します。

この考え方では、いつまで経っても現在の仕事を辞めることはできません(なぜなら「退職するときの預貯金は多ければ多いほどいい。」ということであれば、働けるだけ働いた方がいいから。)。

更に、資産を取り崩しながら生きていくことになるので「足りなくなるのでは?」という不安が死ぬまで払拭されません。

 

(3) 投資をしてお金を増やすという考え方

年金制度が破綻する等々と言われたこともあり、社会的に投資を推奨する風潮が顕著になっています。今の日本社会のこの風潮は、非常に危うい面がありますが、他方で資本主義社会に生きている以上、投資をするというのは生活防衛上きわめて有効な手段です(今回は詳しくは述べませんが)。だから、今の風潮に乗ってよくわからないまま投資を行うことは慎むべきだと思いますが、きちんと理解をした上で「運用してお金を増やす」ということは是非考えるべきだと思う。

ただ、投資については、耳にタコができるほど言われていますが、リスクがあります。このことは肝に銘じておくべきだと思います。

 

3 私の退職後のお金の考え方(3つのバランスを取る)

ネットやメディアで退職後のお金の話が出る時、上記の3つの考え方のどれかに偏って語られることが少なくありません。

でも、考えてみれば、貯金0で一生働き続けるのは現実的ではないし、預貯金をただただ取り崩していく生活で心をすり減らすような生活は嫌です。だからと言って、退職後の経済的な基盤を投資一本に絞るのもリスクがありすぎます。

結局、3つの方法をどう組み合わせるかということになると思います。

 

現在、私は金融資産を次のように分けて管理しています。やり方はシンプルです。

まず、1年以内に使うであろう金額は預貯金にします。それ以外の使う予定のない金額は投資に回しています。他方で、仕事で年間100万円くらい稼いでいます。

1年間に必要なお金が250万円くらいだとすると、仕事からの収入が100万円ありますから、150万円を預貯金にするイメージです。それ以外は、放っておけば増えていくよう投資している。

 

預貯金は、生活費で次第に減っていきます。だから、1年に一度くらい、投資を取り崩して預貯金に充当します。取り崩す額は、預貯金の残高が150万円になる程度。

このとき、「取り崩す額」よりも「その時点で出ている投資の利益」の方が多ければ、自分の金融資産は目減りしていないことになります。そこまでの利益が出ていなくても、年単位で投資の利益が出ていれば、その分は目減りが減らせている訳です。

例えば、投資で年間15パーセントの利益が出るとすると、1000万円を投資していれば利益が150万円ですから150万円を取り崩しても、資産全体として見れば目減りしていないことになります。5パーセントだとすると50万円の利益ですから150万円を取り崩すと、資産全体としては100万円が減ることになる。

そういうイメージです。

 

実際には、他の記事で書いたとおりここ2年間は投資で30パーセントくらいの利益が出ています。もちろん、いつもこうなるとは限りませんが、基本的には不安なくやっていけています。

こんな感じのイメージで、「必要以上に退職後の生活に恐れを抱かず、冷静に計画を立てて退職に至ればいいんじゃないかなあ。」などと考えているところです。