スタイルのある生活~早期退職50代男子ハタさんの試行錯誤~

公務員を退職するに至る経緯からその後の生活まで

休職という経験があったから、静嘉堂文庫美術館の国宝、重要文化財のすばらしさを味わえた。

静嘉堂文庫美術館が丸の内に、先日(令和4年10月)に開館したので、さっそく行ってきました。三菱の美術館というので、すごいんだろうなという漠然とした予感はありましたが、結論として、凄まじいレベルの高さでした。

次から次への国宝が出てきて、重要文化財だと「なんだ重文か。」とかいう感じになります。言いたいのは、感覚がおかしくなるくらいものすごい展示だったということです。

 

 

退職をして、人生の豊かさを感じることが多くなりました。

うつ病で苦しい思いもしましたが、おかげでよい人生になったとも実感しています。静嘉堂文庫美術館を楽しむことができたのも、つらい経験があったからだと思います。

 

うつ病で休職中には、それまでは行きたいと思っていても行けなかった美術館などに行くようになりました。

なんとなく東京国立博物にも行ってみたこともありました。ちょうど長谷川等伯の松林図屏風(国宝)の展示があり、息をのんだ記憶があります。大学時代に書道のサークルに入っていたので、墨絵には馴染みがないわけではありませんでしたが、衝撃を受けました(←大げさでなく(笑))。

 

また、幼少期に山口県に住んでいたので、萩焼を目にしたり、弟が茶道をかじっていたのでその縁で焼き物と接する機会もあったのですが、大人になってからはそういうことも減っていました。

30代の頃は、とりあえず100均の器でいいやと思うような生活をしていました。

でも、休職して時間に余裕ができて、近所の器屋さんなどを見て回る機会が増えました。お店のご主人と仲良くなって、手ごろでもいいものを探すようになりました。磁器よりも陶器の方が・・・という好みが芽生えたのもこのころだと思います。

 

その頃、出会った骨董屋のご主人からは、どういう話の流れかは忘れましたが、「金をかけていいものを手に入れるのはバカでもできる。お金がないからこそ楽しい」と言われたことがありました。

それから、値段の高い安いを問わず(安いものがメインですが・・・)、いいものがないか本気で探すようになりました。だからと言って、すごい審美眼が備わったわけではないと思いますが、こちらから良さをわかりにいくという態度のようなものが身についたような気がします。



こういう諸々の経験が下敷きになったのだと思います。

今回の静嘉堂文庫美術館も、とても楽しいものでした。国宝、重要文化財は、やはりすごかったです。

1500円で見ちゃっていいのだろうかって思いました。

 

 

それから、休職中は平日に活動することが増えましたから、美術館などに行くときも1人で行っていました。このころに1人で活動することの楽しさに気づきました。本当に美術品などを堪能しようと思ったら、人のペースに合わせていたら楽しめません。

この経験は、回りまわって、「人は人、自分は自分」という今の考え方に影響をしていると思います。

だから、今回の静嘉堂文庫美術館も基本的には1人で行こうと思っていました。

 

でも、そんな風に思っていたにもかかわらず、今回は2人で見に行きました。

1人で活動する感覚をわかるような人ならば、一緒に行くのも十分に「あり」だと思います。美術館の中でも感想を言いあいながら一緒に回ったり、別々に見て歩いたり。終わったあとは、それを肴においしいものを食べたり、楽しさを共有できます。

 

ひとえに休職で人生のモラトリアムを経験したからできた体験だと思います。

 

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