今年(令和23年)の初め頃から職探しを始めました。
そこから10カ月ほど経って、やっと働くところが決まりました。
これまでやったことを、まとめるとともに、今後同様に職探しをする人の参考になるように、本当はどうしたらよかったか、私が考えていることを書きたいと思います。
1 これまでの経緯
退職後の生活については、
1 もう仕事はしない
2 新たな職を探す
(1) ハローワークを中心として公的な機関を利用して探す
(2) 区の掲示板など掲示から探す
(3) 転職サイト、派遣サイトなどネットを利用して探す
(4) それ以外の方法で探す(請負サイト、SNSを活用して収入を得るなど)
3 起業する
という感じで大きく分けられると思います。
最も一般的である2の「新たな職を探す」という方法を、できるだけ多くを体験して発信することを目的に、今までやってきました。
その状況については、過去に記事にしていますが、まとめると、私の職探しの方針は以下のとおりです。
1 フルタイムでは働かない。パートタイム勤務で週3~4日、月10万円程度を希望。
2 できる限り、前職の業界とは違うところ。職種は問わない。
男性でパートタイム、前職とは違う職種というのは、思いのほか非常にハードルは高かったと感じています。何度も書いてきましたが、ほぼ全て書面審査で落とされました。
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2 どうすれば良かったのか?
ここまでやってみて、結局、どうするのが良かったのか、私なりの結論を書いてみます。
(1) 退職前の準備
私自身は、退職前は仕事に忙殺されていましたので、とにかく辞めてから全て考えようと思っていました。
でも、このやり方は、あまりお勧めはできません。退職後の見通しをつけないで退職するのは、あまりにリスキーだからです。当たり前ですね。
職探しに関しては、現在の労働市場について理解をすることが重要です。
そのためには、公的な機関を利用して情報収集するのがいいと思います。
転職サイトや派遣サイトもありますが、情報発信という点からしたら、公的なものの方が量も多いし、整理されていると思います。
公的な機関としては、ハローワークが真っ先に思い浮かびますが、国の機関であるハローワークに登録してハローワークのサイトから情報収集するのは当然として、更に都道府県の主宰する「しごとセンター」などで情報収集するのがお勧めです。
退職が頭をよぎったら、まずは「しごとセンター」のサイトを探してみてください。
すごい量の情報があります。
これは、特にシニア層について、民間ベースでの情報提供がないことの裏返しでもあります。
退職前にできる準備としては、しごとセンターのサイトを見て情報収集するだけでも相当のメリットがあります。「退職予定」ということでも、しごとセンターに登録できますから、登録をして各種セミナーを受けることもいいと思います。
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(2)退職後の職探し
実際の職探しは、退職前でもできます。ただ、日々の仕事の忙殺されている職場では、現実的には難しいかもしれません。
実際の職探しを体験してみて言えるのは、ハローワークの求人票を見て、単発で応募するのは「ほぼ無駄」ということです。
私は、20近くの応募をしましたが、すべて書面審査で不採用でした。
「年齢性別不問」となっていても、基本的に、年齢、性別など客観的な条件で不採用が決まっているのだと思います。ハローワークの求人に単発で応募するのは、ほぼ可能性はゼロだと思って間違いないと思います。
ただ、しごとセンターを活用して、履歴書の書き方などを学ぶ機会にするために、実戦という位置づけで2~3か所応募するのは悪くないと思います。
その上で、お勧めするのは、しごとセンターや都道府県など(いろいろあります。)の機関が主催するシニア面接会の企画に参加することです。少なくとも首都圏ではいろいろなところでやっています。
単発のハローワーク求人は、実感としては年齢、性別でほぼ全て不採用となりますが、こういう面接会は、少なくともシニア層を場合によっては採用してもいいという企業、団体が集まっています。だから、こういうところをメインに利用するのがいいと思います。
私も、2回面接会に申し込みをして、2回目の面接会で2つの企業、団体の面接を受けることができ、そのうち1つの団体に就職が決まりました。
それまで私は、ハローワークの求人、転職サイト、派遣サイト、区の掲示板の求人などを合わせて20以上に応募して全て不採用だったにもかかわらず、面接会で面接した企業、団体の2社で面接をしてもらえて、そのうち1社に採用されたということです。
もちろん偶然うまく行っただけという可能性もゼロではありませんが、少なくとも面接(面接の下準備のような話をしてもらえるだけのところもありますが)をしてもらうところまで行けるだけで全然手ごたえは違うと思います。
実際に人事の担当者と話をしますから、相手もこちらの「人となり」を見ていて、選考の対象になっているという実感があります。
大変な職場を退職して次の職業を探そうとなれば、ハローワークを利用するのは普通だと思うのですが、利用の仕方を知らないと、本当に遠回りします。
私の経験で、無駄だったと思うところをそぎ落とすと、実際に10カ月かかったのがおそらく3カ月~半年に短縮できたのではないかと思います。
実際に採用してくれたところは、法律関係の前職とは全く畑違いの教育関係の団体です。条件は週4日勤務、おそらく給料は10万円前後。ほぼ希望どおりだと思います。
(3)併行してアルバイト
実際に体験して感じたのは、シニアでの職探しはかなり時間がかかります。
ブランクが長いと採用されにくくなる等のことも言われていますが、3年も4年もかかっているということならともかく、1~2年でとやかく言われる筋合いではないと思いました。だって、応募したって書面審査の段階でお祈り書面(*)が返送されてくるだけですから。
* 「お祈り書面」「お祈りの手紙」というのは、不採用通知の書面のことです。末尾が必ず「貴殿のこれからのご活躍をお祈りします。」で結ばれています。
それなりの長い時間が就職活動には必要となることから、補助的に考えてもいいと思ったのは、アルバイトです。
会社員や公務員として働いてきた人には、アルバイトと言われても、「そんなに簡単にできるのか不安」という人も多いと思います。例えば、コンビニエンスストアのアルバイトでも、「若い人ばかりで、そのスピードについていけないのではないか。」、「商品を売るだけではなく、公共料金の支払いや宅急便の受付などやることが多岐にわたり対応でしない。」等の不安を抱く人も多いと思います。
ただ、ここでまた利用できるのが「しごとセンター」です。
いろいろな職業の導入のセミナーがあります。例えば、コンビニエンスストアについても、そこに就職(アルバイト)するシニア層のための導入のセミナーがあり、有名なコンビニの会社の人が来て講義をしてくれたり、実際に体験させてくれたりします。
ハローワークを利用したりして求職活動の期間が延びるのが心配であれば、こういうものを利用してアルバイトをするのも手だと思います。
さらに言えば、大手のファストフード店やコンビニエンスストアなどは、今、本当に人を必要としていてシニア層でも採用しようというモチベーションが高いです。他方で、求職者サイドから見れば、少なくともこれから数十年は無くなることはない。
そういうところで働いたことがあるという経験があれば、将来、困った状況になっても直ぐにお金を稼ぐことができます。
人生をたくましくしたたかに生きていくためには、すごくおすすめだと思います。
3 むすび
退職して何もわからず、就職活動に突入すると、相当不安だと思います。
実際の労働市場がこんなに硬直的だとは、おそらく一般には知られていないと思います。ネットの記事などでは、いろいろな人が「自分の市場価値がわかってないから、採用されない。」などと言っていますが、それは違います。
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労働市場の状況をきちんと事前に把握して、何をしたらいいのかを整理して退職できれば、相当程度の不安を解消できるのではないかと思います。まずは、労働市場が硬直化していることを知る事が大事です。
そして、それと同時に、自分も硬直化しないことが大事だと思います。
何も考えずに前の職場と同程度の給料を求め、同じ業種の仕事を求めたら、仮にうまく就職できたとしても、苦労した前職と同じような環境に置かれることになってしまう可能性が高いと思います。どのくらいの給料で自分は何がしたいのか、できるのかをしっかり考えて条件を固めた上で、一つの業種や一つの職場にこだわらない(場合によってはアルバイトと本職の両方を考える)など、自分自身も柔軟に考えることが必要です。
これから退職、就職活動をされる方に、少しでも参考になればと願って、この記事を書かせていただきました。