私のような中高年、つまりある程度の期間働いてきて、そこそこの蓄えもある人が働いている組織とどうやって手を切るか、結論を考えたいと思います。
ここまで16回に亘って、述べてきたことを時系列でまとめてみます。
記事は、退職を意識した時に最も気になると思われる労働市場の動向から書いてきましたが、時系列でやるべきことを考えると、それは一番最後になると思われます。
1 金銭的なベースを築く。
まず最初にやるべきことは、退職する時の金銭的なベースを築くことです。
組織に所属していて、追い詰められた時、辞められない最大の理由は、辞めた後の金銭的な不安です。
このことに対する対策は、投資をすることだと思います。
それも、できる限り早く、投資を始めた方がいいと思います。投資をして、自分自身の金融資産(すぐに使えるお金)を増やすことが、非常に大切です。
投資のやり方については、「退職から人生再建へのモデル」のところで、結論を書きました。是非、読んでみていただければと思います。
また、投資についての、ベースになる考え方は、「お金のこと」というカテゴリーフォルダにまとめました。
参考にしていただければ幸いです。
まだ、30代とか若い人でも、この部分は参考にしていただけるのではないかと思います。
現在は、組織の中で、うまく行っている人でも、未来永劫、それが続くとは限りません。
そして、「うまく行かない」状況が自分に訪れた時、必要なことは金銭的な自立です。
結果的に、「退職なんて自分の人生で考える必要はなかった」ということになれば、本当にいいなとは思います。でも、相応の確率で、「もう限界、退職したい」と思うこともあると思います。
その時のために、絶対に準備しておいた方がいいと思います。繰り返しますが、できる限り早く。
2 人生のビジョンを明確にする。
退職を、具体的に考えようと思ったタイミングで、なんとなく持っていた退職後の人生のイメージを明確にします。
仕事をしていると、「やりたくないこと」が出てきます。また、幾度となく「仕事を辞めてやりたいこと」が頭をかすめます。これらのことを洗い出して、自分がどういう人生を歩みたいのか、そこまで大袈裟ではなくても、どういう生活をしたいのかを具体的に考えることが必要です。
これによって、退職後の仕事のやり方を含めたライフスタイルが明らかになると思います。
もちろん、人生のビジョンは人生を歩んでいく中で変わって行って構いませんが、まずは、そのベースとなるイメージを明確にすることはとても大切だと思います。
3 退職後の「生活費」をイメージする。
現在の家計における支出を洗い出して、退職後もそれが必要かどうかを検証します。
退職前に削ることができるものも結構あったりします。
これは退職後にやってもいいと思いますが、退職前きちんとやっておくと、安心感が違うと思います。また、退職後の職業を検討するための一要素になりますから、できれば早ければ早いほといいと思います。その分、お金もたまりますし。
本気で考えると、劇的に変わると思います。
仕事にアップアップしていると、自分がどのくらいお金を使っているかに関心が向かず、知らず知らずのうちに多くの額を出費に費やしているはずです。
余談ですが、私は、昔、残業を月200時間以上やっていたときは、給料が毎月ボーナスのような額でしたが(その部署はきちんと残業手当が付いていました。)、その時のお金は全く残っていません。
退職前に削ることができる費目もあれば、退職後削ることになる支出もありますが、着実に検討を進めることが大切だと思います。
私個人としてのおすすめは、ミニマムな生活にシフトすることです。人それぞれ考え方はあると思いますが、少なくとも現在の日本人の生活は支出が肥大化しすぎだと思います。そういう意味からも、支出はどんどん削るべきだと考えています。
ただ、これは、貧乏暮らしを目指すわけではありません。人生のビジョンを明らかにして、自分がやりたいと結論付けたものは残せばいいし、残すべきです。
長くなるので、この記事はここまでにします。
次回は、「4 退職後の職業を考える。」ということを書こうと思います。