スタイルのある生活~早期退職50代男子ハタさんの試行錯誤~

公務員を退職するに至る経緯からその後の生活まで

退職から人生再建へのモデル(8) ~求人をする会社の考え方の分析と今後の方針を考える。~

前回までの記事で、ハローワークを使って仕事探しをする際に理解しておくべきこととして、

・現在の日本の労働市場では、基本的には求人のイメージが固定化していて、求人側がイメージしている人材の枠をはみ出していると採用はされないこと。

・一部の業界については、背に腹は代えられない人員不足に陥っていて、求人も多く、比較的採用はされやすいこと

を述べてきました。

 

今回は、少し掘り下げて考えてみたいと思います。

 

1 求人のイメージについて

自分自身の働いていた職場を思い出してみて、「そう言えば、そうだったなあ。」と思い出したことがあります。

臨時で採用される方は、中年の女性が圧倒的に多く、そして契約期間が経過した後、再度別の部署に採用されることが多かった。当時は、その理由を考えたことはありませんでした。

でも、今思えば、私がいた職場でも採用する際に、そういうイメージの人を採用していたのだと思います。

おそらく、男性や年齢的に若すぎたり、高齢の人は、履歴書を見ただけで不採用が決まっていたものだと思われます。

また、経歴としては、それまで採用した人とあまりに違う人は書面で不採用が決まっていたのでしょう。だから、同じ業界の人ばかり、その組織の経験者がほとんどでした。それ以外は採用しない。

 

日本で経験者以外を採用するのは、新卒一括採用の時だけです。そして、新卒一括採用の時は、比較的、個人の能力の高い人を採用しようとします(制度が十分かどうかは置いておきます。)。

それ以外は、経験者以外が採用されることは、極々レアケースですし、能力もイメージからはみ出した人は採用されません。能力が求人側が持っているイメージより低くても、高くてもダメなのだと思います。求人側のイメージの範囲に収まっていない人はダメなのです。

もちろん、私は採用担当者をやったことがありませんから、推測ではありますが、大きく間違えてはいないと考えています。

 

今回、就職活動をしてみて思うのは、多くの職場がこれと同様なのではないか、ということです。

 

 

こういう現状の良し悪しは棚上げしておきます。

現状分析として、上記のとおりであれば、今後の方針としてはどうしたらいいでしょうか?

 

退職をした職場にはもう戻らないと決めている場合、その他の組織や会社の求人に応募するということは、その組織の経験がないので、経験者にはなりません。だから、基本的には採用はないものと考えるしかありません。

自分自身の経験から言えば、履歴書を出しただけで不採用通知(通称「お祈り通知」。「今後のご活躍をお祈りします。」と書かれているので)が来ますから、面接でアピールすることもできません。

 

ただ、現時点で考えているのは、そうは言っても、年末から年度末にかけては、求人が多くなります。一つの会社などが比較的多くの人数の求人を出す場合、もしかしたら、求人側がイメージしている人が揃わない場合があるのではないかと推測できます。

掛けでしかありませんが、そういうことを期待して、求職活動を進めるということになると思います。

 

現状のように求人側に確固としたイメージがあるのならば、それを明示してくれたら、無駄な応募はしなくて済むのですが、法制度上、差別は許されないので、年齢性別不問、経験不要という求人に応募せざるを得ません。

 

なお、こういうデメリットが認識されているためだと思われますが、東京しごとセンターでは、キャリアカウンセリングや就職支援セミナー、就職面接会を 1日で集中的に実施する新たな就職支援プログラ ムも開いています。対象がシニアとなっていて、先着順に申し込むと、2~3社はその場で面接をしてくれます。

このプログラムの良い点は、「年齢不問」としながらシニアなど採用する気が全くない会社ではなく、採用の意思のある会社が参加しているところです。更に、書面審査で切られて終わりではなく、面接でアピールする機会もあります。

プログラムへの参加企業やその勤務条件が合えば、有力な選択肢になると思います。

 

 

2 人手不足の業界への応募について

では、人手不足が本当に深刻な業界はどうでしょうか。

運送、介護、警備、清掃、飲食などの業界は、多くの求人があります。ただ、業界によって事情が違うようですし、結構温度差があるようにも思われます。

 

報道などで職場環境に問題があることが有名になってしまっている業界もあります。過重労働、賃金の低さ、職場環境の悪さなど、間違いなく、相当問題がありそうです。

だから、採用をしたとしてもすぐに人が辞めて行ってしまい、また求人をかけるというサイクルを辿っているのだと思われます。

 

また、業界によっては、それだけ人手不足であるにもかかわらず、「経験者」を頑なに求めているところもあります。やる気や能力のある人を採用して、資格の取得をサポートしたり、職場内のトレーニングによって人を育てればいいのではないかと思うのですが、どうもそういうことは考えておられないようです。

 

 

人手不足の業界に応募するのは、やめた方がいいのでしょうか?

 

そうとは言い切れないと思います。

相変わらず経験者を求めているような業界については、突破口があります。

先日の記事で紹介した「仕事センター」で、保育補助員、マンション管理員、ケアスタッフ (介護職員初任者研修)、コンビニエンスストアスタッフ などについて、就職支援口臭や面接会を行っていて、講習⇒面接という流れを作ってくれています。

 

また、収入を得るにはどんな方法があるかという記事にも書きましたが、コンビニやチェンの飲食店で、シニアを積極的に採用しようとする動きがありますので、一考の余地があると思われます。

 

(コラム)退職して環境を変えると、自分自身の価値観も変わる。

仕事をしていた頃は、1日があわただしく過ぎていきました。朝起きると仕事の準備をして家を出て、仕事が終わると疲れ切って家に帰り、食事など必要最小限のことをして寝るという生活の繰り返しです。こう書くとネガティブな感じもしますが、精神的にはいろいろ考える暇もなく、とりあえず目の前のことに没頭していれば、焦りや迷いを感じることはありませんでした。

 

 

退職をしたら、180度生活が変わりました。

仕事がないというのは、巨大な穴が生活に空いたようなものでした。

退職する時に、「完全にリタイアして、悠々自適に趣味に生きよう。」とは考えていませんでした。何をするのかは、退職してから考えようと思っていました。仕事をしていたら忙しすぎて考える暇もありませんでしたし。

最初はひたすら休んでリフレッシュすることに努めました。ただ、しばらくすると、だんだん、自分は何をしたいのかなということを考えるようになりました。

 

これは、自分の内的な気持ちが高まってきたというのもありますが、周囲の明示、黙示のプレッシャーを受けてやむを得ずという側面もかなり強いと思います。

 

周囲のプレッシャーの部分は、退職前には予想していない部分でした。

もちろん、老後の生活が心配な世の中ですから、そういう意味で何もしない訳にはいかないというのは理解しています。ただ、そうは言っても、預貯金などである程度の生活費をストックして退職生活に入っていますから、焦る必要は全くないのですが、

 

1 様々な人との会話の中で、「仕事はしないのか?」という質問を受ける。特に親しい人からは、明に暗に「そろそろ仕事しなきゃ」という雰囲気を込めた質問が繰り出されます。

 

2 自分のペースで仕事探しをしようとしていると、「退職から数カ月以上時間が空くと採用されにくくなる」とハローワークで言われたり、転職や派遣のサイトの注意事項に出てくる。

 

3 マンションの近隣のお年寄りからは、「今日はお休み?(なぜ昼間に家にいるのか?)」という質問を受ける。

 

などを経験しました。

 

 

 

「退職後は自分のペースで」というのは、当初から心に決めていましたので、動じなければいいだけかもしれません。現に動じてはいないのですが、でも、全くその影響を受けないかと言うと、そんなことはありません。

例えば、条件に合う求人があったのでハローワークで紹介票を出してくれるように電話したら、「そこだけですか?」と聞かれます。

普通は併行して何社も応募するんでしょうね。自信をもって「それだけで結構です。」と伝えるのですが、もやもやした感じは残ります。そんなことを繰り返していると、だんだん、もっと精力的に活動しなければいけないのではないかという気がしてくるから不思議です。

 

 

人間は、環境から大きな影響を受けます。

退職という人とは異なる人生の選択をするならば、こういうことが起こるということは覚悟しておいた方がいいかもしれません。

 

 

「『人生について試行錯誤をする今』を楽しむ」というのが理想なのですが、環境が、なかなかそれを許さない。

でも、一度しかない人生です。周囲の「将来はどうするの?」、「そんな生活していて大丈夫なの?」というネガティブな圧力には屈せず、精一杯楽しもうと考えています。

 

私は、とにかくそういうネガティブなことには近づかない、距離を置くことで対処しています。

 

 

金持ち父さんシリーズの著者でアメリカの大富豪のロバート・キヨサキ氏、レバノン系思想家ナシーム・タレプ氏などが言っていますが、人生の成功とはラットレース(枠の中での競争に汲々となっていること)から抜け出すことです。

人より早く、ラットレースから抜け出したのですから、今までの人間関係、日本的考え方とは違う、真に人生の幸せを追求できる考え方を身に着けたいと思います。

 

 

退職から人生再建へのモデル(7) ~現状~

私のことを書きます。

昨年(令和22年)7月に33年間務めた前職を退職しました。

本当に心身ともに疲れ切っていましたので、半年間完全休養しました。この期間は、自分の資産や月々の収支の洗い出しをしながら、これからの人生の後半戦をどう過ごしていくか過ごしていきたいかを考えました。

半年ほど経った今年(令和23年)2月ころから、活動を始めることにしました。

就職、趣味などの活動を始め、今に至っています。

 

このブログの一つの目的は、前職にいたころ疑問だった「退職したらどうなるのか。どんな準備したらいいのか。」等を体験し、それを発信することです。

現在、退職したいけど躊躇している多くの人が最も大きな問題と考えておられるであろう「退職したらどうなるのか。」という点について、ネットで語られているような断片的なものではない、体験に基づく情報を書いていければいいなと考えています。

 

自分限りで言えば、知り合いからの仕事の御誘いに乗って、人生をリスタートする手もありましたが、そういう偶然性に左右されないで、リスタートする方法を探したいと思っています。

 

 

既に述べたとおり、私は、現時点で、再就職できていません。

でも、再就職への道筋はあると思っています。だから、まずは、おそらく多くの方が考えるであろうハローワークを使っての再就職を突き詰めて経験した上、その他の方法も体験したいと考えています。

現時点では主にハローワークを体験中です。求人は多くある時期とそうでない時期があります。次の多い時期は、年末から年度末にかけてです。その頃までは、やってみようと思っています(*)。

*退職から再就職までは、あまり期間が空くのはよくないと一般には言われます。ただ労働市場の現状を考えれば、中高年で普通に活動をしていたら、3カ月とか半年とかの期間内に再就職できるとは思えません。

それについては、気にしていても仕方なので、仮に面接まで行くことができて、それについて聞かれた場合は、しごとセンターの人と相談して準備した回答を答えようと思っています。

 

 

 

他の記事でも書いてきましたが、現在の日本の社会は、誠実に仕事に向き合う人に多くの業務を押し付けたり、無理なことを要求しています。

そういう環境で苦労されている方でも、それなりの期間続けてきた仕事を辞めたら今後の生活が心配で、退職という一歩が踏み出せない。

私の思惑からすると、このブログを読んでほしい方のイメージは、そういう人です。ある程度経験もある中高年の方。だから、ある程度の蓄えはある。

また、もう少し若い方でも、職場に疑問を感じ将来的に退職をすることを想定している人もおられると思います。

 

そういう方に、このブログが少しでも参考になればいいいと強く思っています。

 

退職から人生再建へのモデル(6) ~ハローワークの利用の仕方で意外と知られていないこと~

労働市場の現状について、私なりの分析を書いてみました。

結論としては、

1 求人が多いのは、運送、介護など。人手不足が本当に深刻で背に腹は代えられないので、年齢などにこだわらず、求人が多い。

2 それ以外の業界は、人手不足ではあるけれど、求人は少ない。

 

こういう労働市場の現状を前提にすると、

1 早く決着をつけるなら、とにかく求人の多いところに応募する。

2 それ以外の業界でも、あきらめずに応募する。

 

ということになると思われます。

 

 

では、求人に応募するというのは、具体的にどうするのでしょう。

ハローワークのデータベースで調べて、自分の希望する求人を見つけたら、履歴書、場合によっては職務経歴書などを準備して、ハローワークで紹介票をもらって、書類一式を求人先に送付するというのが、オーソドックスな流れです。

 

でも、私は、三十年余り公務員として生活してきましたので、履歴書や職務経歴書など書いたこともありませんでした。

あと就職活動で注意した方がいいポイントなども、付け焼刃でネットで検索してわかったような気になっていましたが、今思えばちょっと無謀でした。

 

「シニアの就職活動」について、学ぼうとすれば、手っ取り早い方法があります(はい。50代からは、シニアと分類されます。(笑))。

ハローワークは国の機関ですが、それと連携する形で都道府県の機関で「しごとセンター」というのがあります。東京だと「東京しごとセンター」です。

他の県についても見てみましたが、すべてかどうかはわかりませんが、大体あるみたいです。

ハローワークとタイアップしていて、求職者に寄り添ってアドバイスなどをしてくれます。

 

 

ハローワークでもフォロー体制を取っていますが、「こんなこと相談していいのかな?」みたいな感じもあります。その点、しごとセンターは、そういうハードルが極めて低いというのが実感です。

実は、私は、しごとセンターの存在を知らず、ハローワークに登録してすぐに求人に応募していたのですが、連戦連敗。3カ月くらいした時、ネットで「しごとセンター」を発見しました。

しごとセンターに登録すると、ガイダンスから始まり、履歴書や職務経歴書の書き方、面接の準備などのセミナーを受けられます。個別に相談にも乗ってくれます。履歴書や職務経歴書の添削、面接の模擬もやってもらえます。

 

私は、「自分が選んだ求人は自分に合ったものだったのか。」という根本的なところに自信を持てなかった時に、連戦連敗していましたので、すごく不安だったのですが、個別の相談で、選択の方向性は正しい(労働市場が厳しいから採用されないだけ)ということがわかり安心しました(安心している場合ではないけど)。

また、しごとセンターでは、就職相談会などの企画を行ったり、その他の団体のセミナー、企画などの情報もあります。

転職などのハードルがあまりに高いことの裏返しかもしれませんが、ある意味、至れり尽くせりです。

 

 

しごとセンターの登録は「退職前」でもできますから、早いうちに登録して、セミナーも受けておけば、気持ちの面での安心感は、自力でやるのとは比較にならないと思います。

 

 

労働市場は厳しいものの、こういうサポートはありますので、孤独に就職活動をしなければならないということはありません。

細かいことは、私が書くよりも、しごとセンターのホームページを見てもらう方が、手っ取り早いと思いますので、そちらに譲ります(今日は少し手を抜きます。)。

 

(コラム)ネット上の「中高年の労働市場は厳しい」という記事について ~記事も指摘しない労働市場の問題点~

「退職から人生再建へのモデル」の本文にも少し書きましたが、大手のサイトに時々中高年の転職市場に関する記事が載ります。その多くは、企業の人事担当者や転職仲介などを生業とする人が書いたものではないかと推測されます。

 

1 中高年の労働市場は厳しい。

2 転職等するには、自分の市場価値を知る必要がある。

3 前職の在職中にスキルを磨く必要がある。

 

要約すると、概ねこの3つの内容が書かれています。

更に結論として、現職に留まることを勧めるものが多い。

 

私も、こういう記事を随分参考にさせていただきました。とても感謝しています。

ただ、その反面、「ちょっと違うんじゃないか。」あるいは「忖度してあえて書いていない。」と思う点があります。

 

 

「中高年の労働市場が厳しい。」というのは事実です。

私が思うに、記事を書いた人が言う以上に厳しいというのが現実です。

私がそう感じる理由は、これらの記事の筆者の方々が指摘されるように自分の市場価値を知って、スキルを磨いたところで、状況は全く変わらないと考えられるからです。

 

なぜそんなことになっているのか、私なりの分析ですが、年功序列は崩れつつあると言いながら、労働法制は旧態依然としたもので、労働者の解雇は厳格に制限され年功序列、終身雇用を前提とした運用がされています。

また、多くの企業ではいまだに新卒一括採用が基本で、それ以外は基本的には例外的な採用です。だから、中途採用、新卒ではない人の採用は極めて限定的です。

ハローワークのサイトで求人票をいくつか見るとわかります。欠員補充の募集人数1名というのがほとんどです。

だから、一部の業界を除き、新卒でない限り、本当に少ない求人に応募するしかないのが現状です。

 

今回、実際に就職活動をしてみて、本当によくわかりました。

 

 

だから、繰り返しになりますが、自分の市場価値を正確に理解しても、スキルを磨いても状況は何も変わらないのです。

これは、求職者の責任ではありません。率直に言って制度がおかしい。

 

これは中高年の労働市場に限ったことではありません。

程度の差こそあれ、例えば、就職氷河期の時代の人たちや若くして退職を選択した人についても同じことが言えます。自分の市場価値を分析しスキルを磨き、就職活動をいくらやったところで、結果はほとんど出ない(正社員としての採用はまず無い。)。

 

 

年功序列ではない活力のある経済制度を整えなければならないけれど、人材が採用登用されるような制度の創設については、議論されているのかどうかすらわかりません。

 

 

このブログは、何かを批判して溜飲を下げることは目的にしていません。

ただ、転職や就職活動をするにあたって、理解をしておかなければならないことを発信したいと考えています。

ここで私が言いたいのは、年齢によらず転職や就職活動をされている方の多くは、特に責任はないにもかかわらず旧態依然とした制度が原因で本当に大きな苦労をされているということです。

そういう方に言いたいのは、それでも状況をできる限り正確に把握した上で、あきらめることなく人生を歩んでいこうと語りかけたいです。年齢を問わず、それぞれの立場で制度が壁となって報われないけれど、がんばっておられる方が、日本にはたくさんおられると思うのです。

 

 

他方で、転職、再就職関係の記事を書いておられる方々へ申し上げたいのは、現在の多くの記事では「自分の市場価値を分析なければならない」、「スキルを磨かなければならない」と無責任に(あえて無責任と言います。)書いてしまうことにより、それをしないから転職、再就職はうまくいかないのだというメッセージとなってしまうということです。

そう書く理由も、推測ですが理解できます。

「市場価値を理解してスキルを磨いても現在の制度では限界がある。」と書くということは、現在の政治や経済を動かしている人たちへの批判になるからではないですかね?そこに忖度が必要ということでしょうか?

 

もしかすると「転職なんて考えるのはやめて、現職に留まれ」という記事が多いのは、忖度しつつも、現状が本当はわかっておられるから、精一杯のメッセージを送っておられるのでしょうか。

 

 

私としては、ネット上に多くある転職関係の記事については、変に真に受けず、でも、正確な事実関係を把握して、その上で自分で人生を切り拓いていきたいと思います。

労働市場が改善されるとしても、おそらく今就職活動をしている私たちには関係ないでしょう。

私は、今活動をしている人に向け、現状を前提にどうやって生き抜くのかのメッセージを発信できるようがんばりたいと思います。

 

 

退職から人生再建へのモデル(5) ~退職後収入を得る具体的な方法~

前回までに労働市場の現状を見てみました。なかなか厳しいですが、これを前提に、どうしたらいいかを考えてみたいと思います。

私自身、まだ就職できていません(するかどうかも併行して考え中)ので、「こうやったらできた!」ということは、少なくとも現時点では書けません。

ただ、2月ころから動き始めて、現在まで約半年強の時間が経ちました。その間に知ったことや学んだことを書いてみたいと思います。

ネットの記事とは異なり、実際に活動してみた上での情報や知識、分析です。

 

1 自分の就く職業のイメージづくり

仕事探しをする前に、自分はどんな職業に就きたいのかについて、真剣に考えておく必要があると思います。特に中高年で「自分はどんな職業に就きたいのか。」を考える際には、職業に人生のウェートをどの程度置くのかということとも相まって、自分の人生のイメージが大きく影響すると私は考えています。

 

このブログで何度も言っていますが、これを考えることなく、なんとなく転職すると前職と同様の問題のある職場に再度就職することになる可能性が飛躍的に高まると思います。ネットで検索してみても、パワハラで転職したけれど再就職した会社は前にもましてハラスメントが酷かったというようなことになりかねません。

 

私自身が、どう考えているのかという点については、別の機会に詳しく書きたいと思っています。

 

2 これまでに私が知った職探しや収入を得る方法

職探しをする際に、どういう方法があるのか?

これから書いてみますが、一つ一つは誰でも知っているようなことになりますが、現在仕事をされている方が深く考えたりしたことはないのではないかと思います。

実際に就職活動をしている中での、それぞれの印象を書いてみます。これらは、「こういう方法がある。」ということなので、「これはダメ」とか言うことではありません。メリット、デメリットを理解した上で、それぞれの選択肢をニュートラルに検討するのがいいのではないかと思います。

これから退職を考えておられる人などの参考になればいいなと思っています。

 

ハローワーク

国の機関で職探しと言えば真っ先に思い浮かぶのがこれです。

私は、退職直前の職場では有給の消化もできないくらいでしたから、「とにかく退職しよう。その後のことは退職してから考えよう。」と考えて退職しましたので、ハローワークに実際に行ってみたのも、当然、退職後です。

ハローワークについては、ホームページが相当充実しています。登録をしなくても求人の検索などができますので、在職中から情報収集をしておくのがいいのではないかと思います。

現在、私もハローワークを中心に職探しをしています。

 

・転職サイト

最近はよく宣伝されています。転職サイトの比較記事もネット上にはたくさんあります。

転職サイトに登録をすると、おびただしい数のメールが送信されてきます。1日に何度もメールが来て、多くの職業を紹介してくれます。

 

転職サイトの仕組みについては詳しくは述べませんが、このブログで想定している公務員や会社員をある程度の期間続けている人にとっては、「どうなのかな。」という印象です。

多くの情報が送られてはきます(本当に読み切れないくらいの量です。)が、自分の経歴などにマッチしたものは少ないです。労働市場の現状を考えれば、当たり前かもしれませんが、「いくらなんでも、こんな業界で今から働くのは無理だな。」という情報がほとんどだと思います。

私は、この時点で転職サイトの使用はやめました。

 

もちろん転職サイトがダメだと言っている訳ではありません。

ただ、転職サイトでは転職による給料アップなどを目標にしているようです。冒頭で書いた自分の人生のイメージに合っているのか(人生後半でもバリバリ働くのか等)をよく考える必要はあると思います。

 

・派遣サイト

サイトに登録して職探しを進めていくということでは、転職サイトと似たようなものに派遣サイトがあります。転職サイト同様、派遣サイトの比較情報もネットにたくさんあります。

多くの情報がもたらされる点では、転職サイトと同様です。

 

私自身が登録して体験した感じですが、求人にエントリーしても、現時点では声がかかったことはありません。

これも、派遣で働いている人をイメージしたらわかると思います。自分がそのイメージに合っているかどうかということです。派遣であっても中高年を対象として考えている会社等は少ないという、前回までに労働市場を分析した結論のとおりではないかと考えられます。

 

もちろん、派遣サイトでも声がかかる可能性はあるので(特に求人が男女を問わず中高年もイメージしていると考えられる場合)、やってみる価値はあると思います。

 

・個別の求人

街角のお店でみかける張り紙。あれです。

私なりの分析ですが、個別の求人に関しては2種類あると思います。チェーン店やフランチャイズ店(チェーン店など)の出すものと、それ以外です。

 

チェーン店などの出すものについては、その母体となる企業のホームページなどで、どういう人を想定しているかというイメージを知ることができます。大手のコンビニ、ハンバーガーショップなどでは、シニアの採用を想定した求人がされています。

主に飲食、コンビニなどの業界は慢性的に人手不足ですから、シニア対象を謳っているものであれば、応募すれば採用される可能性はあるのではないかと思います。

 

その他の個別の飲食店、物販の商店などが出すものです。

これは、そのお店がどういうイメージを持っているかなので、シニアを採用するかは、それぞれの求人によるとしか言えず、未知数です。ただ、通常の商店や飲食店であれば、どういう人が働いているかを見れば、採用の可能性の高低もなんとなくわかると考えられます。

 

チェーン店などは、現在、人手不足がかなりタイトで、企業の戦略として積極的にシニアを活用していこうという動きがあります。一考の価値はあると思います。

 

・個別の請負

個別の請負仕事をサイトに登録して行う方法です。「内職」「募集」とかのキーワードで検索するとヒットします。

請負の仕事なので種類は多いです。公務員や会社員の人だと、人によってはライティング(記事作成)、サイト作成など、適性のある人ならば、仕事がある可能性があります。

 

私も先日、登録してみましたが、体験するまでには至っていません。

現時点の印象としては、独立しようと考えている人が独立するまでの助走期間の仕事と考えて利用する等ではないかと思われます。単価は安いと思います。

 

SNS、ブログの収益

極めて現代的な稼ぎ方だと思います。

典型的なところだと動画サイトに動画を上げて、自分のアカウントへの登録数や動画の再生数に応じて報酬を得るとか、ブログに企業や物販の宣伝を張り付けて報酬を稼ぐ(アフィリエイト)などがあります。

 

私が結構参考にしたのは、ブログの立ち上げ方をテーマにしたブログです。一言でブログの立ち上げの方法と言っても、どういう手順でやるのかは意外と複雑です。これを整理してまとめ、必要に応じてリンクを貼って有料サイト(いかがわしいものではなく)に誘導したりするブログを構築する。そうすると、リンクをクリックしたり、有料サイトを利用した際に報酬が発生しますから、一度、そういうブログを作ってしまえば、自動的に報酬が稼げるというもので、魅力的です。難易度は高いです。

 

これらは、昔は無かったものです。

動画編集をやってみたら意外と面白くてはまりそうとか、ブログの構築が面白いという人には、おすすめかもしれません。

 

私は、動画編集はめんどくさくてダメでした(笑)。ブログで稼ぐというのも、自分自身がミニマリストと言っているのに、「物を売るのもなあ。」という感じです。

 

 

3 まとめ

ここに書いた以外に独立するという方法もあります。ただ、このブログではそこには触れません。

でも、職探しを含め収入を得る方法は、意外とあると思います。

 

ただ、どれも一長一短ですから、自分に合ったやり方を具体的に考えていく必要があります。考えるにあたっては、一つに絞る必要はありません。上記の複数を組み合わせることもアリだと思います。

 

今、私は、ハローワークを中心に職探しをしていますが、将来的には併行してコンビニのアルバイトなどを考えてもいいかもしれないと思っています。

 

次回は、職探しの一番オーソドックスな方法である、ハローワークの利用と、中高年が利用する場合の作戦について書いてみようと思っています。

 

(コラム)給料が高いだけで働かない中高年

「給料が高いだけで働かない中高年」という見方が広がっています。

実際は、どうなんでしょうか?

 

私は、そのとおりだと思います。前職で、痛感しました。

 

働いている使える中高年だって、もちろん、ある程度はいます。

でも、多くは、やはり「使えない」人ばかりでした。

 

 

定年ということが見えてくると、モチベーションはガタ落ち、自分が働いている間が無事で大きな問題が起こらなければ、それでいいというのが、傍から見ていても明らかでした。最近は、そういう人が本当に多くなっていて、そういう人たちは、「逃げきれるかどうか」をすごく気にしていました。つまり、自分がその職場にいるうちが安泰ならば、それでいいと思っている。

「そうはなりたくない。」というのが、私自身が退職した大きな理由の一つです。

 

定年延長や再雇用義務が創設され、モチベーションが低いのに働く期間は長くなり、ますます組織にぶら下がる人が増えていきます。そんな組織、大丈夫なのでしょうか??

 

 

後輩たちと話していると、

「きちんと仕事をする先輩ほど、早く辞めていく。」

「中高年は、柔軟性が無く言っても理屈をつけてやらないから、本当に困る。」

「自分たちは給料は上がらないからと言って、やる気のなさを隠さない。」

と言います。

 

きちんと仕事をする人の多くは、組織に愛想を尽かして辞めていきます。

でも、そうやって早期に辞めていった人には、仕事がありません。でも、モチベーションも低く、組織にぶら下がっている人たちは、最後まで仕事と賃金が保証されます。これが、今の日本です。

 

ブログで中高年の労働市場のことを発信していると、やっぱり世の中、根本的に間違っている気がします。

やる気や能力のある人を登用していく仕組みが、致命的に無い社会は、今後なんとかして改善していくべきだと思います。

 

 

今日、人事院勧告の記事を読みました。

久しぶりに公務員の給料は増額勧告のようですね。「あの人たち」の給料も、増額されることになります。

本当に仕事をしている人に、高い給料が出るような仕組みになることを切に願います。